追想・萌え日記

欧米人なら”胸毛パパ”

僕が小学校のころ、テレビで「ディズニー劇場」(番組名、微妙に違ってたかも)という、ディズニーの劇場公開作を何回かに分けて放送する番組がありました。

動物ものが多く「三匹荒野を行く」などが放送されてたんだけど、その中の1本「名犬ブーメラン飛んでこい」(これまた微妙にタイトルちがうかも)というビーグル犬(これも確信ない?)が活躍する映画がありました。

西部開拓時代の話で、主人公の少年が慕っている幌馬車のおじさんが、(たぶん)お風呂に入るために服を脱いで上半身、裸になるシーンあり、その分厚い胸と、胸を覆いつくすようなモジャモジャの胸毛を見て、なんだかモヤモヤした不思議な気分になり、おちんちんが勃起してしまったのです。

細かいシチュエーションは思い出せないけど、裸のまま、少年のおねえさんだったか家庭教師だったと口論する、といった感じだったのです。

とにかく、欧米人のおじさんは胸が厚い、そのうえに毛がビッシリ生えてるってことが、この世のものとは思えないほど素敵にショックでした。

時を経て耳鼻科の診療所に通ってた小学高学年のころ、待合室に置いてある雑誌(映画雑誌ではない一般誌)のグラビアに、ショーン・コネリーと女優さんとのベッドシーン=バストショット)が2ページ見開きいっぱいに掲載されてて、コネリーの渦巻く胸毛に腰が抜けそうなショックを受けて、ビンビンにシビれてしまったことがあります。(「007ダイヤモンドは永遠に」公開時で女優はジル・アイアランド)。

思えば、コネリーが太って、かつらも付けずに出演した当時で、当時の僕は、中年の魅力全開のジェームス・ボンドおじさんに夢中になってしまいました。(その後、リバイバルで「007危機一髪」「ロシアより愛をこめて」などを見たけど、シリーズ初期の若いコネリーのネチっこい顔にちょっと引きました)

外人=胸が厚くて胸毛モジャモジャ・・・というイメージは小学生からすでに持ってたけど、中学生になるとテレビの洋画ブーム(‘70年代初頭の洋画番組黄金時代)が来て、数々の欧米映画を吹き替えで見ることで、さらにその思いは深まりました。

当時の僕にとって、外国映画は中年男性が恋愛の対象となってることが日本の映画やドラマにはない魅力でした。

つまり、日本映画とちがい、若い女性が恋するのは必ずしも若い男ではなく、外人女性は中年男性に恋するものなんだっていうことで、ヒロインの立場に側に感情移入できるのです。

ジョーン・フォンティーンとジョセフ・コットンの「旅愁」や、キャサリン・ヘップバーンとロッサノ・ブラッツィの「旅情」、あるいはデボラ・カーとケーリー・グラントの「めぐり逢い」などのような中年同士のオトナの恋を描いた作品もあり、外国映画のほうが自分の恋愛感覚には合ってると思いました。(同級生の女の子や男の子たちは当時「小さな恋のメロディ」や「ロミオとジュリエット」のような幼い恋愛映画に夢中になってましたが・・・・・)。

夜の9時台にやってたテレビの洋画劇場より、もっと好きだったのは深夜にやってた洋画劇場でした。

親が寝静まるのを待って、真っ暗な部屋でひっそりと見た映画のひとつが「ロリータ」(‘62年スタンリー・キューブリック監督)です。

実はこの映画、僕にとっては、はじめてテレビ画面を見ながらオナニーできた記念すべき(?)作品です。

映画は大学教授のジェームス・メイスンが若い娘に夢中になって身を滅ぼす内容なのだけど、その娘(スー・リオン)の母親(シェリー・ウィンタース)に感情移入して見てました。

でぶ母ウィンタースは「あなたの匂いって好きよ」とか「あなたに触られるとわたしメロメロになるの」などと、もうメイスンの渋い中年のセックスアピールに夢中で、情熱的に求愛するんだけど、メイスンはそんな母親より、娘のほうに夢中。
結局、娘目当てにデブ母との結婚を承諾してしまうのです。


そうそう、この映画を見て“外人のおじさんは裸でベッドに寝る”ということを知り、それがなにかセクシーに感じてました。

今見るとそれほどでもないのだけど、当時はメイスンおじさんの胸毛にメロメロにしびれたのでした。
映画の中盤の入浴シーン、黒々とした胸毛の胸にグラスを乗せてバスタブにつかっている大学教授メイスン・・・当時は夢のようにセクシーで、テレビの画面を見ながら親が眠ってることの運の良さに感謝しました。

ただ、当時も思ってたことは、メイスンは胸毛は濃いのに、不思議と足は毛が薄かったこと(ガウン姿で生足をたっぷり見せてますが、毛がない)で、その点だけは現実世界で僕が好きだった仲本先生や井上先生のほうがカッコいいな・・・とは思ってました。

だから、当時から“すね毛は日本人”“胸毛は外人”というイメージで、なんとなく自分のなかで分別して考えてました。

その後、日本人でも、欧米人に負けないくらいの立派な胸毛のおじさんに出会うのだけれど、それは奇跡のようなもので、やっぱり一般的には、胸毛が似合うのは欧米人おじさんかな?って今となっては思うのです。
2006.7.23記

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